2025年問題_2025ねんもんだい
2025年問題とは、団塊の世代が全て75歳以上となる2025年にかけて、65歳以上の人口、特に75歳以上人口が急速に増加しする一方で、生産年齢人口(15~64歳)の減少が加速することで生じる社会問題のことです。
〇介護医療における2025年問題
高齢者が急速に増加することで、医療・介護の需要の高まりや、必要な医療・介護のニーズが変化するなど、医療・介護の提供体制を取り巻く環境が大きく変化しています。加えて生産年齢人口が減少することで、医療と介護のさらなる人材不足が懸念されています。
全国で見ると、要介護認定率や一人当たり介護給付費が急増する85歳以上人口は2025年まで75歳以上人口を上回る勢いで増加し、また外来患者数は2025年頃に最も多くなります。
一方で、都道府県や2次医療圏単位で見ると、65歳以上人口が増加する地域と減少する地域に分かれ、入院・外来・在宅それぞれの医療需要も、ピークを迎える見込みの年が地域ごとに異なります。
生産年齢人口が減少していく中で、人口構成の変化や医療及び介護需要の動向は地域ごとに異なります。そのため、地域の実情に応じた医療及び介護提供体制の確保を図っていくことが重要です。
その際、中山間地域や離島では、地理的要因によって医療や介護の資源が非常に脆弱な地域も存在するので、配慮する必要があります。
また、求められる患者・利用者の医療・介護ニーズも変化しています。高齢単身世帯が増えるとともに、慢性疾患や複数の疾患を抱える患者、医療・介護の複合ニーズを有する患者・利用者が増加しており、医療・介護の連携の必要性が高まっています。特に、認知症への対応については、認知症の発症を遅らせ、認知症になっても希望を持って日常生活を過ごせる社会を目指し、認知症の方だけでなく、その家族の気持ちも大切にしながら、共に支え合うことと予防に力を入れることが非常に重要です。
このように人口構造が変化していく中で、医療保険制度及び介護保険制度については、給付と負担のバランスを図りつつ、2つの制度の持続可能性を確保していくことが重要です。
現在の医療費は減少する現役世代が支えています。つまり、増大する医療費を減少する現役世代で支えなくてはいけません。その為財源の確保が困難になり、質の高い医療提供が難しくなることが懸念されています。
こうした中で、医療及び介護の提供体制については、サービスを利用するひとの立場に立ち、ニーズに見合ったサービスが切れ目なく、そして効率的に提供されているかどうか再点検していく必要があります。また、高齢化が急速に進む都市部や人口が減少する過疎地等といったそれぞれの地域の高齢化の実状に応じて、安心して暮らせる住まいの確保や自立を支える生活支援、疾病予防・介護予防等との連携も必要です。
このように、団塊の世代が全て75歳以上となる2025年、その後の生産年齢人口の減少の加速等を見据え、患者・利用者など国民の視点に立った医療・介護の提供体制を構築し一人一人の自立と尊厳を支えるケアを将来にわたって持続的に実現することが課題となっています。
参考:
厚生労働省: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000060713.html